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エコークエスチョンで会話がスムーズに
- 英語が聞き取れなかった時に使えるテクニック -

会話がスムーズになる..!エコークエスチョン知っていますか?

エコークエスチョンは、共感や理解を示すコミュニケーション手法です。エコークエスチョンがもたらす効果やビジネスシーンで活用するメリット、実際に使う時の注意点について解説します。

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エコークエスチョンとは、相手の言葉をそのまま繰り返すことで共感や理解を示すコミュニケーション手法です。

例えば、相手が“They will lose business if they're not following the expected protocols.”と言ったとします。

そしてあなたが「the expected protocols」の部分を理解できなかったとしましょう。この時、単に“Could you repeat that?”や“Sorry?”と返してしまうと、相手は同じ文章を最初から言い直さなければなりません。

あなたが分からなかったのは「the expected protocols」の部分だけ。このワードだけをもう一度相手から引き出す便利な質問方法、それが「エコークエスチョン」です。

当記事ではエコークエスチョンがもたらす効果をはじめ、ビジネスシーンでエコークエスチョンを使うメリット、具体的な使い方や注意点までを解説していきます。

よく使われる具体例も紹介しますので、英語学習の効率を最大化したい方は、この記事を参考にぜひエコークエスチョンを積極的に活用してみてください。

エコークエスチョンとは?

スムースに会話を運ぶテクニック

エコークエスチョン(Echo Questions)はスムーズに話を運ぶためのテクニックで、会話の潤滑油のような役割を果たします。

カジュアルな会話では頻繁に使われる質問形式なので、ネイティブと話す機会が多い人なら自然と使えているかもしれません。

英語ネイティブはどうやって使っている?

先ほどの文章をもう一度みていきましょう。
“They will lose business if they're not following the expected protocols.”

“Could you repeat that?”と聞き返せば、相手はきっと“They will lose business if…”と最初から文章を言い直してくれるはずです。しかし、あなたは上手く聞き取れなかった「the expected protocols」の部分だけをもう一度聞きたいと思っています。

そんな時は、相手の言ったこと(またはその一部)をそのまま「エコー」のように繰り返し、「the expected protocols」だけを「WHAT?」に変えて質問します。

A: They will lose business if they're not following the expected protocols.
B: Excuse me, if they're not following WHAT?

このように相手の言葉を繰り返しながら質問することで、どこが分からなかったのかをピンポイントで相手に伝えられます。

相手が言ったことをほぼそのままの形で繰り返しつつ、聞き取れなかった部分を疑問詞に置き換えるだけなので、エコークエスチョンは非ネイティブの私たちにとっても取り入れやすい質問方法です。

エコークエスチョンの効果

会話の流れを自然に保つ 追加の説明を求めるきっかけ イントネーションやリズムの練習

エコークエスチョンはより自然なコミュニケーションを可能にするだけでなく、英語力向上にも繋がる非常に有効なツールです。積極的に活用することで英語でのコミュニケーション能力も大幅にアップさせられます。

1. 会話の流れを自然に保つ

エコークエスチョンは、相手の発言にリアクションを示しながら会話を続けるための手段です。ぎこちなく話が途切れてしまうのを防ぎ、相手の話を遮ることなくスムーズにやり取りを続けられるようになります。

2. 追加の説明を求めるきっかけになる

再確認の意図を自然に伝えられるため、相手に追加の説明や詳細を求めるきっかけにもなります。会話の主導権を相手に渡せば無理なく会話も続けられるでしょう。

3. 英語らしいイントネーションやリズムの練習もなる

エコークエスチョンを使う際はイントネーション(上昇調など)が重要です。相手の発言を繰り返すことで英語らしい会話のリズムも身につき、より適切な表現を吸収できます。

ビジネスシーンでもエコークエスチョンは使える?

使い方次第!ビジネスシーンでも効果が期待できる インフォーマルな会議 社内ミーティング

エコークエスチョンはややリラックスした調子で使う口語英語であるため、比較的カジュアルな場面で用いられることが多いです。

社外の参加者がいるようなフォーマルな国際会議・プレゼンテーションでは注意が必要ですが、ビジネスシーンにおいても使い方次第で以下のようなメリットが得られます。

“問い返し疑問文は、通常のWh疑問文に比べて、口語英語で使われるインフォーマルな表現とする見方もある。しかし、これらを“true question”であると指摘する研究者も少なくなく(e.g.,Sobin 1990,Haegeman 1991)、単純に「周辺的な現象」として英語学習から切り捨てるようなものでは決してないと考える。”
出典:英語教材としての映画スクリプト(4)-問い返し疑問文に関して-

適切な場面とタイミングでエコークエスチョンを使えば相互理解が深まり、円滑なコミュニケーションの促進も期待できます。インフォーマルな会議や社内ミーティングなど様々なビジネスシーンで活用できるので、ぜひ参考にしてみてください。

エコークエスチョンを使いこなすメリット

信頼関係の構築 意思疎通の向上 会議の効率化

1. アクティブリスニングの姿勢を示し、信頼関係を構築できる

エコークエスチョンは単に言葉を繰り返すだけでなく、相手の話に集中し、理解しようとしている姿勢を示します。異文化環境で良好な人間関係を築く上で、これは非常に有効です。

2. 正確な情報伝達と意思疎通の向上

相手の発言の一部を繰り返し確認することで、聞き間違いや誤解も防げます。特に専門用語や数字、名前など正確さが求められる場面では、このメリットは非常に大きいです。

相手もさらに詳しい説明をしやすくなり、物事の背景などより深い情報が引き出せます。

3. 会議やプレゼンテーションの効率化

会議やプレゼンテーションの場でエコークエスチョンを活用することで、議論の流れを整理し、結論にたどり着きやすくなります。

話し手にとっては参加者の理解度を測るチャンスになり、互いの共通認識を形成できれば議論の効率化にも繋がります。

よく使われるエコークエスチョンの具体例3選

To make a long story short, I’m being transferred to Bangkok. : かいつまんで言うと、私はバンコクへ転勤になるのよ。You’re being transferred to WHERE? : どこへ転勤になるって?

例)
A: To make a long story short, I’m being transferred to Bangkok.
かいつまんで言うと、私はバンコクへ転勤になるのよ。
B: You’re being transferred to WHERE?
どこへ転勤になるって?

例)
A: I forwarded your mail to Simon yesterday.
君のメール、昨日サイモンに転送しておいたから。
B: You forwarded my mail to WHO?
私のメールを誰に送ったんですって?

例)
A: The deadline is next Tuesday and it’s non-negotiable.
締め切りは来週の火曜日で、これは譲れません
B: The deadline is WHEN?
締め切りはいつまでだって?

エコークエスチョンを実践で使う時のポイント

全てを繰り返すのではなく、疑問に思う部分、確認したい部分に絞って聞き返すことが大切です。

疑問文であることを示すために、語尾を上げるなどイントネーションに注意してください。よく聞き取れなかった場合は、困った感じの表情を見せながら言うと効果的です。

単に言葉を繰り返すのではなく、理解を深める、確認する、会話の話題を広げるなど明確な目的を持って聞き返すようにしましょう。

エコークエスチョンを使う時の注意点

To make a long story short, I’m being transferred to Bangkok. : かいつまんで言うと、私はバンコクへ転勤になるのよ。You’re being transferred to WHERE? : どこへ転勤になるって?

非ネイティブもチャレンジしやすいエコークエスチョンですが、実は「相手の発言が聞き取れなかったので確認して明確化する」という役割の他に、「相手の発言内容が意外だったので、驚きや焦り、苛立ちを示す」こともできます。

では、そのニュアンスをどうやって正確に相手に伝えればいいのでしょうか。ポイントは、疑問詞をいう時の「口調」と「表情」です。【よく使われるエコークエスチョンの具体例】で挙げた例①の対話をもう一度見てみましょう。

A: To make a long story short, I’m being transferred to Bangkok.
かいつまんで言うと、私はバンコクへ転勤になるのよ。
B: You’re being transferred to WHERE?
どこへ転勤になるって?

相手の発言が聞き取れなかった場合

単純に「バンコク」の部分が聞き取れなかった時は、やや強調して尻上がりに「WHERE?」と発音すればOKです。少々困っている表情を見せつつ、穏やかな口調で質問するようにしましょう。

相手の発言内容が意外だった場合

驚いた表情を作り、「え、嘘でしょう?!」といった声音で「WHERE?!」と発音し、意外性を強調します。

「あなたはてっきりアメリカに赴任すると思っていたわ!ずっと希望していたじゃない。それがなぜバンコクに…」といった心の声を表すイメージで、ここでもイントネーションは尻上がりにします。

ただ、相手の発言内容が意外だった場合は注意が必要です。話の内容によっては「そんなはずはない!」「何てバカなことをしてくれたんだ!」と、相手を非難する口調にも聞こえかねません。

あなたの質問の意図が誤解されないよう、詰問口調になっていないか自分の声音に注意しながら使ってみてください。

まとめ

To make a long story short, I’m being transferred to Bangkok. : かいつまんで言うと、私はバンコクへ転勤になるのよ。You’re being transferred to WHERE? : どこへ転勤になるって?

この記事では、エコークエスチョンがもたらす効果やビジネスシーンで活用するメリット、実際に使う時の注意点について解説しました。

エコークエスチョンは、相手への共感、議論の効率化、信頼関係の構築など様々なメリットをもたらすコミュニケーションスキルです。グローバルなビジネスシーンにおいても、エコークエスチョンを効果的に使うことでより円滑で生産的なコミュニケーションが実現できます。

エコークエスチョンは練習すれば比較的簡単に習得できるので、当記事内で挙げた注意点を参考にぜひ明日から取り入れてみてください。

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